一般的に宅建士合格を目指すうえで必要な学習時間はおよそ300時間~400時間といわれています。もちろん個人差はあるので200時間でも合格を目指せるという意見もあるようです。では、実際のところどのぐらい時間が必要なんでしょうか。
そんな疑問から大手資格学校や個人のブログ記事などを調べてみて「今からでも間に合うのか?」を検証してみたいと思います。「今から」と言っても人それぞれですので、ここでは10月は直前の見直しなど追い込みの時期ですので9月いっぱいまでを標準学習期間として算出します。
4月からスタートなら9月末までで6カ月、5月からなら5か月、6月からなら4カ月と考えて、そこから導かれる学習時間をまとめていきたいと思います。では早速見ていきたいと思います。
試験日から逆算!一日あたりの必要学習時間
まず、標準学習時間に関してですが大手資格学校がいう標準学習時間300時間~400時間を基準に一日当たりの平均学習時間を検証していきます。1カ月は30日として計算します。以下表が各学習期間の1日あたり学習時間となります
学習時間/学習期間 | 6カ月(180日) | 5カ月(150日) | 4カ月(120日) |
---|---|---|---|
300時間 | 1.67h | 2.00h | 2.5h |
350時間 | 1.94h | 2.33h | 2.92h |
400時間 | 2.22h | 2.67h | 3.33h |
学習期間6カ月で見てみると、1日あたは2時間前後ですので何とか実践できるレベルですよね。学習期間を短縮していくとその分、1日あたりの学習時間は120%~150%程度アップしていくことがわかります。
単純に数字だけでみると“やれそう!がんばれそう!”と思いがちですが、そうは甘くはありません。学習時間は、日常生活の中からつくるものです。例えば仕事が忙しくて帰りが遅くなった時や、急な用事や付き合いで学習時間が確保できないなどは十分に考えられます。
ですので、もう少し現実味があるところで1週間のうち5日間は確実に学習するとして再度計算してみると以下になります。この場合、1カ月を22日として算出します。
学習時間/学習期間 | 6カ月(132日) | 5カ月(110日) | 4カ月(88日) |
---|---|---|---|
300時間 | 2.27h | 2.73h | 3.41h |
350時間 | 2.65h | 3.18h | 3.98h |
400時間 | 3.03h | 3.64h | 4.55h |
なかなかリアルな数字がでてきました。6カ月と余裕をもった学習期間であれば1日あたり2時間~3時間ですので、実践できるレベルではありますね。ですが、5カ月~4カ月となってくるとどうでしょうか?なかなかハードだというのが本音ですね。
以上のことから標準時間と学習期間の関係から1日あたりの学習時間をめていくと、
・実践レベルで考えられるベストな学習期間は6カ月以上
ということになります。やはり、資格試験の勉強ですので余裕を持った学習期間は必要ということです。もちろん、個人差はありますので、法律系に最初から強いかたなどは効率よく学習できるので時間・期間は短縮可能と思います。ですが、初学者のかたなどはある程度余裕をもったところからスタートしたほうがベストと言えますね。
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一週間あたりで学習時間を検証!重要なのは学習計画でした
前述の項目では「1日あたり」を焦点にしていったいどれぐらいの学習時間が必要かを検証してみました。パターンとしては毎日やるのか週5日というところで確認しました。そこから見えてくるのは一週間あたりに必要な学習時間です。スタートする時期と想定学習時間の幅はあるものの、約10時間~20時間ぐらいが必要という計算になります。平均値をとって一週間あたり約15時間を目安に検証してみたいと思います。
一般会社員が一週間の学習を進めるとなるとパターンは大きく2つに分かれるかと思います。
1つは「毎日コツコツパターン」、もう1つは「まとめてがっつりパターン」ではないでしょうか。まあ、「まとめてがっつり」と言っても、資格試験の勉強なのである程度はスキマ時間も使いつつ知識に触れておくことはあると思いますが、要は学習時間の確保が難しいもしくはまとめてやりたいタイプというイメージです。
では「毎日コツコツパターン」の一週間の学習予定はこんな感じですね。
⇒(例)月~金曜日の5日間×平均2h=10時間、土日で5時間強学習
【特 徴】
◎毎日学習することで、勉強が習慣づけられて継続性が高まる
◎継続して学習するので記憶の定着が高まる
◎ある程度のイレギュラーがあっても余裕があるところで学習時間をカバーしやすい
一日あたりの確保すべき学習時間が約2時間ですから、通勤途中や休憩中に1時間、仕事が終わってから1時間強というように時間は確保しやすいですね。多少のイレギュラー(仕事上のトラブルやお付き合い、友人との飲み会など)があったとしてもどこかでカバーできるのも本パターンの良いところです。
が、もっともメリットとして挙げられるのは、継続して学習する癖がつくこと、また知識が定着しやすいことです。資格試験の基本は反復学習です。これをどれだけ継続できるかで試験結果は大きく変わりますのでまずは本パターンがおすすめです。
次に「まとめてがっつりパターン」ですが、こんな感じではないでしょうか。
その分、時間に余裕がある仕事終わりや週末などの休日を使ってまとめて学習
⇒(例)月~金曜日の5日間×平均1h=5時間、余裕がある平日の夜と土日で10時間強学習
【特 徴】
◎毎日のスキマ時間を活用して外出時はテキストや一問一答形式で学習
◎メリハリがついているのでストレスは感じにくい
◎イレギュラーが起きた際はカバーがしにくい
「がっつりまとめてパターン」の人は大きく分けて仕事が多忙で学習時間が確保できない場合か、学習スタイルとして腰を据えてまとめて学習したいタイプかと思われます。ですが、資格試験合格を目指すのですからある程度毎日は何かしら知識に触れていることを前提に検証します。一見、毎日コツコツパターンよりも学習効率が上がらなさそうに見られがちですが、そこはやり方次第だと思います。
最初から平日は時間が確保しにくいと分かっていれば、それを踏まえた学習構成を考えて実践すればよいのです。平日のスキマ時間は数ページ単位でテキストを熟読、知識を吸収。あわせて一問一答など時間を区切りやすい問題集を使ってアプトプット。そして平日の余裕がある夜の時間や週末休日の時間を使って復習というような進め方であればどうでしょうか?思っているよりもやれそうなイメージがわいてきませんか?
学習の進め方次第ではコツコツパターンと差はでないのですが、イレギュラーが起きた場合のカバーは難しいのが欠点ではあります。よほど強い意志があり、何としてでもこの一週間でやるべきことをやるぞ!という気持ちがあれば何とかなりそうなのですが。また、学習の進め方を間違うと知識の定着も効率が落ちやすいとも言えます。
・学習の進め方は個人差があるが、工夫一つで合格レベルまで知識は高められる
⇒つまり、重要なのは試験までの時間をどう使うか!学習計画が重要!
一週間の学習時間と学習パターンを掛け合わせて検証してみましたが、結論はどう学習をすすめていくのか!つまり学習計画をたてて実践することということです。あくまで、世間で言われている標準学習時間というのは試験合格に必要な知識を学び、試験合格レベルまで高めるのに必要な時間の目安です。
個々で見ていくのであれば、士試験日から逆算して時間がいくら残っているのか?またその時間内でどれだけの知識を吸収しアウトプットできるようにしないといけないのか?を把握できればおのずと自分に必要な学習時間は見えてくるのではないでしょうか。ということで、学習計画の重要性が高いということが言えますので、宅建士合格を目指される方は、まず試験日までの計画を立ててみてください。
宅建士合格メソッド!勉強をすすめる上でやるべき3つのポイント
合格のための重要ポイント!学習計画と学習効率の重要な関連性について
学習時間を分析、検証していく中で学習計画の重要性がわかりました。ですが、ただただ計画を練ればよいというものではありません。本当に合格に必要な学習項目やそれに必要なテキストなどの教材、それを実践していくための時間を考えるなど結構綿密に立てる必要性があります。
しかし、初めて宅建士の勉強を始められる方にはどうでしょうか。なかなかハードルが高いと思われます。市販のテキストにも学習の進め方みたいなものは書かれていますが、それだけでは足りません。およその目安としてどの時期にどの程度進行しておく必要があるのかなども頭に入れて計画するべきだと思います。そこで、公開されているサイト上の情報や資格学校各社の情報が役にたちますので調べて大枠のスケジュールを検討してみてください。
次に、計画が立てられたが「思っていたより時間的に厳しいなぁ・・」「今から始めるには間に合わないかも・・」などと不安な方には、学習効率を高める手法を取り入れることをおすすめします。学習効率を高めるということは、資格学校などが提唱するように合格するための学習を実践することです。つまり、要点だけをしっかり押さえて、効率よくポイントを稼げるようにしていく手法です。現在、資格学校や通信教育などで多くの宅建士にかんする講座が開かれています。その中で、自分に合いそうなもので且つ必要なものをチョイスして取り入れれば効率よく学習を進めることができて、時短にもなります。
実際、独学ですべてのプランを設定して学習を実践しても合格ラインには到達できると思います。しかし、それには一人でやることが多く時間も必要になります。余裕があればそれでもいいですが、特に時間に余裕が無いかたや学習のポイントが掴みにくいかたには通学・通信講座がおすすめです。
・学習計画を実践して合格率を高めるためには学習効率を高めることも重要
・学習計画や学習方法に不安があればノウハウのある資格学校を活用も◎
最後に、宅建士試験の合格を目指すにあたりまずは計画を練ってください。試験日からの逆算でどのように学習を進めていかなければならないのか?それに必要な時間は?教材はなど検討ください。極端に試験までの日程が近いとその分ハードルはぐっと上がりますが、ある程度時間がもてるのであれば、いつからが遅いということでもないと思います。ぜひトライしてみてください。