宅建士(宅地建物取引士)試験の合格ボーダーラインはその年によりますが、過去10年間からみると31点から35点ぐらいといえます。わずか1点の差で不合格になるので1点の重みはとても大きいですね。そんな喉から手が出るほど欲しい1点ですが、なんと5点もゲットできる方法があります。それが、登録講習という制度です。
ここでは、大きなアドバンテージになる登録講習について紹介しておきます。自分が登録講習を受けれるのか?そもそも登録講習とはをチェックしてください。
記事の目次
登録講習は不動産関連に勤める人だけの特権
宅建士試験制度には、「登録講習」というものがあります。似たようなものに「登録実務講習」という講習もありますが、中身は全く違うので間違わないようにしましょう。では「登録講習」について解説したいと思います。
これは別名「5問免除講習」とも呼ばれています。
どのような講習かというと、不動産会社や宅建業登録をしている会社に勤めている人なら勤続年数・職種にかかわらず(新入社員やアルバイトもOK)受講でき、修了試験に合格すると、その日から3年以内に実施される宅建士試験で問題の一部が免除されるというものです。
要は、宅建士試験で出題される全50問のうち5問が免除されるのです。
言い換えれば「登録講習」修了者は、すでに5点正解しているわけですね。
【平成29年合格者 登録講習修了者】
ご覧のように、登録講習登録者が全体合格者の3割近くを占めています。平成29年度の合格者数は32,644人ですが、うち9,464人が講習修了者です。
さらに合格率は、受験者全体では15.6%ですが、
登録講習修了者は19.9%と大きくアップしています。
冒頭でも紹介しましたが、過去10年の試験の合格点は31~35点で推移しているため、50点満点のうち35点以上を正解できれば、ほぼ合格できるとみていいです。
合格ラインあたりに受験者数が集中することを考えれば、この5点のアドバンテージは大きな魅力。受講資格を満たす人は、この5点を生かさない手はありません。
宅建士試験制度 登録講習受講資格・概要について
登録講習を受講するには、下記の1と2の条件を両方満たさなくてはなりません。とは言え、普通の会社にお勤めであれば特に問題はないと思います。
登録講習を受講できる人
1.宅地建物取引業に従事しているただし受講の期間中(受講申請から修了まで)は会社に属していないといけません。
2.従業者証明書を提示できる
新入社員やアルバイトでまだ持ってない人も、総務に言えば発行してくれるはずです。
受講修了で免除される科目
●宅地及び建物の需給に関する法令並びに実務に関する科目(問46〜48:例年)
●土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関する科目(問49・50:例年)
これらは、宅建士試験では専門性が高い科目と言えるので、免除されるのはラッキーです。その分、他の科目に学習時間を充てることができるメリットは大きいと思います。
登録講習の概要
登録講習は、資格学校など国土交通大臣の登録を受けた機関で受講します。どこの講座も1〜2ヶ月間の通信講習(スクーリング前の予習みたいなもの)があり、その後に2日間のスクーリング(講義)が行われます。
宅建士試験の申込期間は例年7月1日から31日までですが、講習受講中の人は登録講習修了者として申込みができません。ですから、5問免除のためには申込日までに講習を修了しておく必要があります。
スクーリング(講義)は4月下旬〜7月中旬に集中するため、余裕を持って申し込むといいでしょう。登録講座申込から受講修了までのイメージは次のとおりです。
【登録講習のながれ】
1.講座申込
↓
2.通信講習 1〜2ヶ月
機関が用意する教材を使って、スクーリング日までに学習しておきます。
↓
3.スクーリング(講義)2日間
通信講習期間の後に、合計10時間のスクーリングが行われます。
↓
4.修了試験 1時間
スクーリング終了後に、全20問・4肢択一式の修了試験が行われます。
7割以上を正解すると合格になり、登録講習修了者証明書が交付されます。
登録講習の申込方法
登録講習は国土交通大臣の登録を受けた機関(21機関:平成30年2月28日現在)に申し込みます。
受講料は8,500〜18,000円(平均12,800円)となっています。講習の実施日時や申込方法は講習機関によって違うので、それぞれの機関のウェブサイトで確認してください。
登録講習のまとめ
最後にもう一度、登録講習のいいところや注意点をおさらいしておきましょう。
★ 登録講習修了者の合格率は19.9%にジャンプアップ
★ 受講できるのは不動産関連に勤めている人だけ
★ 登録講習を修了すると3年間は5問免除される
★ スクーリング(講義)は4月下旬〜7月中旬に集中する
★ 受講料は8,500〜18,000円(平均12,800円)
★ 登録講習は21の資格学校などで受講できる
学生の方や主婦の方など、現時点で業界とは関係があまりない方には恩恵がありませんが、受講資格を持ってる人には大きなアドバンテージになるのは確かです。また、しっかり学習を積んだうえで講習を受けて万全の体制で試験に臨むことで合格率は格段に上がること間違いないでしょう。
受講資格がある方はぜひ参考にいただき、一発合格を目指してください!